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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第27章   降り注ぐアネモネ

  


 《 《



「エミリアさま・・・・・・」


「どうかしたの?」


「本当にこの道で、合っているのでしょうか?」


「あらあら。ジュリアスさまにお小言を言われて気持ちが下がってしまったの?」


 お茶を運んできた執事が珍しく弱気だ。


「まさか。しかし・・・ミエリアさまが心配なのです。」


「ふふ、そう。」


 自分をここまで心配してくれる執事には、悪いがこの道を諦める訳には、いかない。


「ミエリアさま?」


「ジュリアスさまの言葉に惑わされないで。あの方は、自分を守るために必死なの。あなたのことだって簡単に揺さぶりを掛けてくるわ。
 でもあなたは、私の味方でしょ?」


「もちろんです。」


「だったらあちを気にしないで。私の言うことだけを信じて付いてきて。いいえ・・・〝付いてきて欲しいわ〟。」


  

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