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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第27章   降り注ぐアネモネ

  


 私は、知っているけど彼は、知られていないと思っている。だからこのままで。
 穏便に過ごさなければ。これから両親がやって来る。この結婚を認めてもらわないとイケない。
 そちらの対策を考えなければ。
 たしかに最初は、〝結婚〟なんて露程も考えていなかった。しかし今では、180°思いが異なってしまった。
 両親にその辺を上手く説明できるのかが心配であった。

 ガタッ・・・・・・


「え・・・・・・っ?!!」


 ベッドサイドの引き出しを開けるとあの件《クダン》のビデオカメラが無くなっていた。処分などした覚えがない。


「まさか・・・・・・ッ゛」


 彼の辛そうな顔は、〝裏切ってしまった〟と言う罪悪感だけのモノではないと言うことになる。



 囁いたのは・・・・・・〝 〟。


  

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