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「予《ｶﾈ》てより色々な打診があったことは、理解している。俺も親衛隊長が身を固めるには、いい時期だと思っていた。」


「それでは･･･」


「しかし。この上奏は、受け入れられない。」


「なぜですか！！」

「家柄には、申し分もなくサロンもすでに仕切っておられるお方です。」

「なにがご不満のですか？」


　重臣たちが騒ぐのもよく判る。


「親衛隊長本人から先日相手の紹介を受けたのだ。」


「は、い･･････？」

「なんの、お話し･･･ですか？」

「王さま、〝紹介を受けた〟･･･とは？」


「親衛隊長が結婚を考えている〝黒髪の乙女〟に逢ったのだ。」


「そ、それで･･･王さまは、どうされたのですか？」


　重臣たちが緊張している。若き王だからと甘く見ていたのかもしない。しかし重心の言いなりになる気は、ない。