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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第30章   クチナシの薫り

  


 恥ずかしくって容易には、口に出来ない。


「あっ、・・・な、んでッ」


 彼の動きがピタリと止まってしまった。もどかしい熱が身体にこもっていく。


「〝どうして、欲しいか〟言ってくれ。君にも気持ちよくなってもらいたい。」


「あ・・・・・・言え、ない。」


「珱月・・・」


「ッ゛?!!」


 身体を倒して耳元で甘く低く囁かれた。秘部の奥がキュウウウッと切なくて熱くなる。


「俺に、お強請《ネダ》りして見せて。」


「ッ゛?!!」


 彼は、全て判っている。いま身体を巡っている熱をどうやって発散させられるのかを。そして一線を私が越えてしまえるのも・・・


「・・・っださい。」


「ん?訊こえない、珱月。」


「っ、ジュリアスさんの下さいッ。」


 恥を忍んで叫んだ。


「〝俺の〟って、なに?」


「っ、・・・判って、いるクセにッ」


  

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