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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第30章   クチナシの薫り

  


 景観重視の観点からあらゆる規制が掛かっている。そんな国に日本の夫婦が降り立ったのだ。


「それで・・・どこへ行けばいいのかしら?」


「そうだな・・・。〝迎えを寄越す〟と・・・言っていたが。」


 珱月の両親は、慣れない異国の空港で迎えを探していた。ジュリアスと国王は、正式に両親を招待しており迎えも宿泊先も全てを手配していた。全ては、円滑な婚姻とこれからの為である。
 まぁ、内容を精査してプランニングをしてくれたのは、王妃であるが・・・。


「タクシーが乗り場で待っているのかも知れないわ。」


「そうだな。行ってみよう。」


 タクシーを探してみる。


「あの、すみません。珱月さまのご両親さまでしょうか・・・」


「「はい。」」


 2人は、声を揃えた。



 罠は、いつでもどこにでも・・・


  

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