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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第33章  両親よりも・・・

  


 執事は、その場の空気を変えてしまった。


「珱月さま。淑女としてのたしなみをお忘れなきように。」


「はい・・・・・・」


 部屋に入る手前でそう囁かれた。返事を大人しくするしかなかった。


「お2人は、反省するなりコトをするなりお好きにどうぞ。おもてなしは、私共で致しますので。」


 返事を待たずして執事は、出て行ってしまった。


「珱月・・・・・・さっきは、驚いたな。でも・・・お誘いとは、甘美だな。」


「あ・・・えっと。」


 急に熱が冷めたような・・・覚めたような。そんな感覚になっていた。


「どうした。あんなに熱っぽく求めてくれたのに・・・嘘だったのか?」


「ち、違・・・・・・ン゛ッ゛?!!!」


 反論しようと振り返ると腰を掴まれて唇を奪われた。


「お望みのままに、〝愛して〟やろう・・・」


  

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