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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第34章   肉欲の誓い

  


「お、義兄・・・さま?」


 兄は、ハッキリと自分の罪を告白した。


「判っております。あなたも近日中には、お迎えに上がりますからご心配なく。」


「待て!義妹はっ、ミエリアには、なんの関わりもないんだ!!」


「ソレは・・・・・・見解の相違ですね。それでは、失礼致します。
 ミエリアさま、お乗り下さい。」


「ミエリアッ!!」


「お義兄さま・・・大丈夫ですから。騒ぎ立てないで下さいね。」


 今にも襲い掛かりそうな兄を牽制して抵抗することなく車に乗り込んだ。


「ミエリア・・・・・・ッ」


 雨がいつしか降り始めていた。


 》》 *


「王さま。」


「ご苦労、副隊長・ジェイド。お前の願いを叶えて挽回の機会をやったのだ。〝黒髪の乙女〟を苦しめる者は、国王として何人たりとも許しはしない。」


  

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