テキストサイズ

ソレは、そっと降り積もる・・・。

第10章  〝愛〟が在りますか?

  


 サロンをあとにした。


 》 》 *


 〝恋〟など必要ない。必要なのは、お互いの自尊心がどれだけ満たされるか・・・それが高貴な婚姻には大事なのだ。
 そう思ってきたしそうだと思っていた。しかし親が失脚したとは言え最初の夫は、優しかった。
 〝これから愛を育みたい〟・・・なんて言うほどに。しかし結局は、それは叶わなかった。

 そうして舞い込んだもの凄い縁談。しかしすでに相手には、意中の女性が居るらしい・・・なんて、屈辱。。。


 《 《 *


「た、ただいま・・・」


 なぜだか緊張した。自室に入って彼女に声を掛けるだけなのに・・・。


「お帰りなさい、ジュリアスさん。」


「っ!!?」


「どうか、しましたか?」


「いいや・・・着替える。」


「判りました。私は、下に行きますから。」


「ああ。」


  

ストーリーメニュー

TOPTOPへ