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オオカミは淫らな仔羊に欲情する

第19章 仔羊、危機一髪!


「ちょっと! 私にも少しはやらせてよ」

「アホ、こいつら性根は腐ってても本職のヤクザだ、
 下手に手ぇ出して怪我でもさせたら俺は親御さんに
 呪い殺される」

「! 竜二……」

「いいから、お前は大人しく守られてろ」


 そうして、男達は各務1人にあっという間に
 KOされた。

 追い詰められた佐渡山は仲間へのメンツもあって
 今さら引くに引けず、懐から黒光りする38口径の
 拳銃を取り出した。


「マジ、腐っとんな……それ撃ったらお前、
 前科モンやぞ。親分も道連れにしてな」


 ※注略~改正・暴対法では”使用者責任”
  というモノで、実際悪事を働いた組員の他、
  その組員が属する組織の兄貴分や親分も
  刑罰の対象となる。


 各務は絢音を自分の後ろへ下がらせた。


「懲役怖くて極道なんぞやってられんわっ。
 死に晒せ、悪徳教師っ!」


 佐渡山の持っている拳銃をめぐって、
 各務・絢音・佐渡山の3人で
 揉み合っているうちに、銃が暴発(誤発射)
  
 たまたま運悪く、その弾丸は各務の腕を掠め、
 鮮血が!


「りゅ、竜二ぃっ!」


 各務は傷ついた腕を手で押さえてその場に
 へたり込んだ。

 まさか、本当に撃つ事になろうとは
 思いもしなかった佐渡山は、
 その痛みに震えながらも自分を睨みつける
 各務に怯え立ち尽くす。

 仲間達も同じく複雑な表情で動けずにいる。

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