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夜の影

第18章 Song for me

【智side】



「何とか言って…?」



ばか。

ばか、ショウ。

それは、俺が何よりも欲しかったもの。

清潔で、眩しい、健やかな光そのもの。



「……か……」


「…え…?」


「ばかショウ」



ばかな奴。

俺なんかに、かまわなければいいのに。

こんな俺を好きだなんて。

迷いなく言うな、ばか。



「…ええ?」



焦ったみたいに抱きしめられてた腕がほどけて、俺の両肩に回る。

肩を押されて、顔を覗き込まれた。

仕方がないから、顔を少し上げて、下から睨みつけてやる。



「ばか、って言ったんだ
ばかショウ!!」



俺の顔を見たショウは、ビックリ顔で目を見開いてて。

それから、蕾が開くみたいに、ふわっ、と笑った。



「何て顔してんだよ
アヒルみたい(笑)」



うるせー。

って言いたいけど、涙が出そうだから黙って睨んでやる。



「上目遣いで
ふふっ
かわいい…」



大きな目を細めて。

何もかも包み込むみたいな顔になって。

俺の頬を指で撫でた。



「……って言うな」


「んん?」


「俺の方が年上なんだから、あんた、って言うなっ」



ショウが、ははっ、って声を出して笑った。



「ごめん、
貴方、目が真っ赤だよ?」


「うるせー、気のせいだろっ」



なんでそんなに、嬉しそうに笑うんだよ。

俺に会いたかった、って。

アナタ、って。

大事そうに。



「ショウ、俺も、お前のこと好きだ」



言った瞬間に、堪えてた涙が零れた。



「…うん
俺も貴方が大好き」



ショウはまた、花のように笑って。

俺のことをぎゅうぅ、って抱きしめた。








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