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my destiny

第15章 Accident 2

【翔side】


「何っ!?ちょ、離っ」


数人がかりでホームに体を押さえつけられてる。
誰か、俺の上に乗ってる奴が居る。


「動くなっ!ガソリンはどこだっ!?」

「通報があったんですよっ
抵抗はやめなさいっ」

「はぁ!?
違う、俺じゃないよっ」


見上げると、駅員と、警察?公安?
わからないけど制服を着て警棒を持った人たちが見えた。


「この人ですっ、ウチの子を攫おうとしたんですっ」

「違いますっ
離してっ!!
連れがっ」

「ガソリンはっ!!」

「持ってませんっ!!」

「嘘を吐くなっ!!」


体をまさぐられてる。


「俺じゃないよっ
ガソリン男なら今行った新幹線に乗ったっ
早く止めてくださいっ」


え!?と驚いたように、俺を囲んでいた男たちの動きが止まる。


「防犯カメラとか調べればわかるっ
新幹線を早く止めて!!
俺の連れが持って行かれたっ
あんた達、人違いしてるんだっ!!」


ああ、まずい、人が集まってきた。
こんなことをしている間に智君が乗った新幹線がどんどん離れていく。

考えろ。
どうするのが一番早い!?


「俺見てたけど、この人じゃないよ
ガソリン臭い男って、ドカジャンの奴だろ
もっと汚い感じの奴だった」

「で、でも、ウチの子を攫おうとしましたっ」

「おいっ、誰か、通報内容確認してっ」


ああ、もうっ!!

俺はこの場に居る一番偉そうな奴を目で探す。
責任者はどいつだ??

こいつか。


「アナタ、ここの責任者!?
俺の顔見てっ」


無言で睨みつけてやった。

頼むよ、早く新幹線を止めて。
騒ぎを起こせない事情があるんだ。

ほかの乗客が巻き添えを食うかもしれない。
あんた、人を守るのが仕事だろ。
お願いだ。
俺の一番大事な人を、返してくれ。

頼むよ。

頼む。


「えっ…この人って、もしかして」

「A.RA.SHIの…」


周囲の人だかりから声が上がり始める。
責任者らしき男がそれを聞いて、目を見開いた。


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