『注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。』第36章「東京の星空」　229ページ

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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第36章東京の星空

＊ナースステーション

「桜庭先生、大変なんです。美優ちゃんがいなくなりました。」

「いなくなったってさ、よく探したの？」

「病棟中、隈なく探しました。でもいません。」

「いないって…ここ閉鎖病棟で厳重に施錠されてるから、どこにも逃げようがないでしょ？」

「そうなんですけど…、桜庭先生がここに赴任される前に一度だけ、お見舞いのご家族に紛れて病棟を抜け出した患者さんがいたんです。」

「マジで？それじゃ探さなきゃ。成井さんは全館放送かけてもらって。僕は美優が行きそうな所をあたってみる。」

「お願いします。」