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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第12章 便秘

「このままにしておけない」と、いい
脇坂先生は、白い手袋を嵌めた。




『どうして手袋なんかするの?』




「手袋をして摘便するからだよ」




『テキベンってなにするの?』





「指でほぐしながら肛門付近の便塊を掻き出してあげるの」





『やだっ!そんなことしないでっ!』




私はベッドに立ち上がり大声で抗議した。




「でもね、どうにかしないと。浣腸はやりたくないんでしょう?」




『やだっ!浣腸も摘便も両方とも嫌に決まってる!先生にとっては、ただの患者だろうけど私は普通の女の子なんだからねっ!』




『ハァーハァー』と、過呼吸になりかけている私を見て、先生は手袋をして外してゴミ箱に捨てた。





「転倒したら危ないから座って、美優ちゃん」





『…しないで…しないで』





「今はしないから、安心して」





『…しないで。お願いだから』





「怖がらせちゃってごめん。僕が悪かった。ごめんね」




先生は、ごめんと言ってくれたけど不安で堪らなかった。




「まだハーバーしてるね。苦しい?」




『…苦しい…ハァー…ハァー』



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