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ヌードモデルの軌跡──詩織の中学生時代

第2章 同級生を支援するために


真面目に授業は終わった。

着衣に戻ったミナコがあまりにも平然としているから、かえって話に尾ヒレはつかなかった。

中学のラッキースケベといえば、たまの制服パンチラ事故か、テニス部の公開見せパンぐらいで、
クラスメイトの半裸は次元が違いすぎたのだろう。

スクリーンで裸身を披露したことが女優の黒歴史とはならないのと同じく、
芸術に深い理解のある女生徒の情熱の発露としてポジティブに受け入れられたようだった。


そのミナコが昼休みに私の席まで来て、モデルになってほしいと言ってきた。

芸術家志望から頼まれて悪い気はしなかったが、
この同級生がヌードに抵抗がないことがわかった以上、確認しないわけにはいかなかった。

──脱ぐの?

同級生の答えは、

──パンツは穿いてていいよ、だった。

芸術家ミナコは普通の女子中学生の部屋に住んでいた。

ただ、ポーズブックという本があった。
全裸の女性モデルがあらゆる体勢をとっている写真集だった。
中学生が持っていていいのだろうか?

とりあえず、私は体操服に、ミナコは私服に着替えた。
(あ、ミナコはちゃんとブラジャーをしていた)

初めて来たクラスメイトの部屋で、着替えるなんて、最初で最後のことになるだろう。
とにもかくにも、いったんは服を脱いだという事実は重要だった。

ほんとに人物画が好きなんだわ。

さすがにポーズブックの愛読者だ。的確に指示を出してくる。
直立からは、胸を反らしたり、上体をひねったり、
座位からは、開脚したり、膝を抱いたり、
色々やったなー。

それでも時間は10分ぐらいしか経っていない。描くのが速いのだ。

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