僕ら二人
第2章 オマエが好きだ!
__はんなり学園高等部。
男子と女子の比率。
男子1:女子9。
始業時間前の1年A組はアジサイ祭りのミーティングで盛り上がっていた。
練習を終えた桂は斜め前に座っているホタルが気になって仕方ない。
そうかー。
そうなんだよなー。
夢に見るほど誰かを好きになる。
そんな経験はそれまでなかった__
桂は顔もまあまあ良く、運動は何でも得意だったからモテないわけがない。
中学時代からガールフレンドは常に5、6人いた。
その事をとりわけ自慢にする風でもなかった。
自慢するどころか、公平に付き合うために自分の時間を惜しんでカノジョ達に尽くした。
「オレは誰か一人には決めないよ。一人に決めたら悲しむ子がいるからね。それでもよかったら付き合っても良いよ」
言い寄ってくる女の子達に彼はキラキラと答えた。
ウソでしょう。
でも、伊吹桂が言うと不思議とキザに聞こえなかった。
「キャアー!桂く〜ん!」
「誰かがオレの為に泣くなんて耐えられないよ」
まったくバカバカしいセリフだが、平均的な女子はみんな桂に憧れていたのだ。
男子と女子の比率。
男子1:女子9。
始業時間前の1年A組はアジサイ祭りのミーティングで盛り上がっていた。
練習を終えた桂は斜め前に座っているホタルが気になって仕方ない。
そうかー。
そうなんだよなー。
夢に見るほど誰かを好きになる。
そんな経験はそれまでなかった__
桂は顔もまあまあ良く、運動は何でも得意だったからモテないわけがない。
中学時代からガールフレンドは常に5、6人いた。
その事をとりわけ自慢にする風でもなかった。
自慢するどころか、公平に付き合うために自分の時間を惜しんでカノジョ達に尽くした。
「オレは誰か一人には決めないよ。一人に決めたら悲しむ子がいるからね。それでもよかったら付き合っても良いよ」
言い寄ってくる女の子達に彼はキラキラと答えた。
ウソでしょう。
でも、伊吹桂が言うと不思議とキザに聞こえなかった。
「キャアー!桂く〜ん!」
「誰かがオレの為に泣くなんて耐えられないよ」
まったくバカバカしいセリフだが、平均的な女子はみんな桂に憧れていたのだ。