テキストサイズ

天気師の少年

第3章 気象系アイドルユニット誕生

彼女はレインの名前で路上ライブを中心に弾き語りをしているアイドルだった。

「わたしって可愛いでしょ💕歌もいい歌でしょ💕」

レインはグイグイと自分をアピールしてくる。
自分でそんなに褒めるかぁと風海が唖然としていると・・

「CDはなんと3曲も入って千円、チェキはワンショット500円、ツーショット千円。サインも書くよ💕」

といつの間にかグッズを買う話になっていた。
流石はアイドル話が上手いと感心したり、天気を操ってエッチなことをした弱味を握られてるから機嫌を損ねない方がいいと思ったり、確かに大雨を降らせたのは営業妨害だったと思ったりして、結局はレインが可愛いから、CDとツーショットチェキを買うことにした。

サインもしてもらってCDとチェキは宝物になった。Twitterなんかでよく推しのアイドルのチェキやグッズの写真をアップして思い出を綴っている人たちがいて、よくやるよと思っていたけど、まさか自分も同類になるとは・・。

ふと、ランチェキ2枚で千円っていうのが目についた。何か勘違いして顔を赤くする風海の様子をレインは見逃さずにクスっと笑った。

「やっぱりキミってかなりエッチね。またいやらしいことを考えてたでしょ」

「そ、そんなことはないよ・・」

図星を突かれて風海はあたふたとしてしまうのでレインは悪戯な笑顔を浮かべる。

「じゃあ、ランチェキって何だと思う?」

し、しまった、やはりそこを突いてきたかと風海は慌てる。それにしても、ランチェキって何だ?考えても分からないからネットで調べるしかないかなと思っていると・・

「ダメよ、考えも調べもしないで思ったままを即答しなさい」とレインが少しイジワルに言った。

即答って、思いつくのはこれしかない・・

「ラ、ランジェリーチェキ・・」

と風海は小声で言った。そうなのだ、風海はランチェキのことを下着のチェキだと思っていたのだ。下着の姿なのか、はたまたチラリと下着が見えているのかと妄想してドキドキしていた。

思ったとおりの答えを言うものだからレインは愉快そうに大爆笑した。

「やっぱり、キミって相当エッチだわ。天気を操ってエッチなことするだけのことはあるわね・・ランジェリーって、んなワケあるかい」

レインは大笑いをしながら風海にツッコミを入れる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ