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テレフォン -約束-

第9章 電脳世界




結局、今日はご新規さんお一人のお客さんでした

アタシは定刻になったので帰り支度をします

お店での長居は無用なのは、今からお客さんが入れば最終電車に間に合わなくなるからです
タクシーで出退勤する風俗嬢は今は一昔前のおとぎ話の時代です


「店長、あがります」

〈あ、レナちゃん、お疲れさん、じゃあ、今日の分ね〉


アタシは本日分のお手当てを店長からいただきバッグにしまいました


〈明日もよろしくね〉

「はい」


別に明日から行かなくても“あり”の世界だけど、アタシは明日、出勤するいつもの約束をしました


そんな、口契約を交わして店を出ると、まだまだ、寒い夜でした


“あ、そうだ、あの匿名筆者さんにお返事しなきゃ”






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