
テレフォン -約束-
第9章 電脳世界
・・・・次の日
この日はご飯を食べる暇もないくらい、お客さんの指名が相次ぎました
忙しさに身を投じている間は気も紛れるけれど、シゴト終わりの帰り道
“まー君”の白い携帯は息を吹き返さないままなのを見ると
閉じていた傷口が途端に開いてしみるように痛みだし
“まー君”がいない中の寒風が吹く現実は、世の中の全てから隔離されているように感じるのでした
――咄嗟に淋しが襲い
咄嗟に孤独に苛まれる――
そんな中、何気に開いたアタシの黒い携帯には受信記録を知らせるランプが点滅していました
