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世界で一番尊いあなた(嵐)

第7章 あなたの本心

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それから店を出て、翔ちゃんは人気のない公園へと俺を連れてきた

和也「翔ちゃん…ここは…」

聞きたいことは沢山ある
でもタイミングが掴めなくて、ずっと無言のままだった

俺はきっかけを作ろうと翔ちゃんに話しかけた瞬間、

翔ちゃんはあの時みたいに
俺を強く抱きしめた

翔「にのっ…」

翔「遅れてごめん…っ!」

翔ちゃんの声は震えてた
俺はただ、目をつぶっていた

会話なんて必要なかった

翔「怖かったよな…っ!痛かったよな…っ…ごめん…っ」

翔「俺が…近くにいれば…っ」

この温もりが愛おしい、
もう二度とあなたに抱きしめられることなんてないと思っていたから

時間が止まったみたいだった この世界には俺と翔ちゃん以外存在しないようなそんな感覚に陥る

俺はもっと、あなたの温もりを感じたくて
あなたの腰に手を回した

だけどあなたの時間は動き続けていたみたいだ

翔「…っ!」

突然翔ちゃんは何かを思い出したように
俺を押しのけた

光一つない真っ黒な瞳

まるで二重人格のようにあなたは急変してしまった

翔「たまたま…俺もあの店に来てたんだ。そしたらお前の声がしたからさ、店で変なことしてんじゃねーよって説教してやろうと思っただけ」

翔「お前、誰にでも抱かれるんだな。軽い男だわ」

和也「…」

今までの俺だったら
間違いなく泣き崩れているだろう

そのくらい意地悪なナイフを
また貴方は俺に投げてきた

翔「ていうかさ、もうあいつとセフレにでもなっちゃえば?」

でも俺は

翔「俺とはもうここで、完全におわらせよーよ」

変わったんだ

翔「そうしたほうがお前のためにも」

和也「翔ちゃん!」

貴方の心は全部知ってる

和也「今日は助けてくれてありがとう…っ」

和也「俺、翔ちゃんが来てくれなかったら今頃あいつに…犯されてたと思う」

和也「ううん…今日だけじゃない。翔ちゃんは…ずっと俺を守ってきてくれた…」

和也「翔ちゃん」

俺は

和也「俺は…俺はそんな翔ちゃんのことが好き…っ!」

貴方を救いたい…!

翔「…っ!」

初めて言葉にして貴方に伝えた俺の気持ち

心臓の音がうるさくて
寒さなんて忘れてしまった

今度は、貴方は時が止まったみたいだった
でも、俺の時間は動き続けていた

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