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年の差は媚薬

第2章 3章

ショウタはこの間の時よりも、少しよそ行きの服装をしていた。

そして母親が付いてきていないと知ったとき、胸の奥がズキズキするのを感じた。

彼女は日曜も働いているのだそうだ。

宅配便の受付をしているらしい。


ショウタはパソコンの知識がまったくないが、吸収がいい。

多分、頭のいい子なのだろう。

会社に入ってくる新入社員を教えるより数倍早く覚えてくれる。


「ショウタ君、頭いいね~すぐに使えるようになるわよ!」

と褒めてやると、

「ホントですか?」

と少し顔を赤らめる。


「いつも勉強ばっかりしてるんじゃないの?」

「来年受験なんで…」

「そっか、大学行くんだ」

「はい、でも迷ってます。うちお金苦しいから…」

真剣に人生について考える高校生の男に対して、いい年をしたおばさんが”性的”な妄想をしていたことが少し恥ずかしくなった。


「おばさんも専門学校しか行ってないよ、大丈夫だよ、今の時代は大学行かなくても」

ショウタは少し元気を取り戻したように笑顔を作る。

「あの~お母さんに『おばさんなんて言っちゃだめ』って怒られたんですけど、お名前は…?」

「そうなんだ(笑)おばさんだからいいんだけどね(笑)気使わせちゃったわね。久美って言うのよ」

わりと、きちんとした教育をしているらしくて感心した。

わたしは”おばさん”が心地いいけど、”久美さん”も悪くない…。

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