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女忍者(くのいち)忍者狩りに遭う。

第2章 小さな茶屋

「シブキのお茶だから、毒消しにもいいんですよ」
 
「シブキって、ドクダミの古い名前ですよね。薬草、お詳しいんですね」
 
 私たち忍者は毒消しに天日干ししたドクダミを必ず携帯していた。
 
「ふふふ、詳しいかって? 昔、教えてもらったの。さあ、もっとお茶を飲んでね。よかったらお団子も……ね?」
 
 苦味が口いっぱいに広がった。
 
「いいえ、元気になりそうです」
  
 茶屋の娘さんは紅く頬を染めて微笑んだ。肩の力がすうっと抜けた。
 
 障子戸が小さく開いた。
 
「奈美ちゃん、お客さまがお待ちですよ」
 
 少ししゃがれているが、品の良さそうな女性の声だ。
 
 奈美さんっていうんだ。
 
「あっ、江戸屋の大女将さん、ありがとうございます」
 
「あ、はーい。……という事なので、少しだけ待って……」
 
 奈美さんは頬を赤らめて、声がする方を指差した。
 
「あ、奈美さん……。小夜……、私、小夜といいます」
 
「じゃあ、小夜ちゃん、ゆっくりしていってね」
 
 奈美さんは手のひらで髪を軽く整えながら、部屋から出た。

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