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ダブル不倫

第3章 夫の横で……。

 眠れなかった。
 
 ――少しだけ……。
 
 パジャマ代わりの大きめのティシャツの中に手を忍ばせる。里井にポチャポチャしていると言われた身体に手のひらを滑らせた。手のひらが肌に吸い付くようだった。
 
 ブラジャーを着けていない二つの膨らみの形と柔らかさを確かめるように撫でる。指先でグミのような部分を挟む。痛キモチの良い感触がそこから背筋に広がる。身体の奥に熱を帯びる。
 
 ――気持ちいい……。
 
「あ……」
 
 声が漏れそうだった。隣には夫の信也(しんや)が眠っているというのに……。
 
 奈々葉は息を飲んだ。
 
 ――夫の横で、こんなイヤらしい行為(こと)……。
 
 考えてみれば、奈々葉は大学生の頃セックスを覚えて以来、自分の身体を慰める行為など初めてだった。
 
 膨らみの頂点にある突起を指で探りながら、片方の手で自分の下腹に滑らせた。
 
 ふっくらとした丘に茂る柔らかな芝を手のひらで撫でる。
 
 こそばゆい。
 
 ショーツの中がジンとなって湿り気を帯びてゆく。
 
 ジンとした場所を指でたどる。隣で寝息を立てる夫に悟られないように……。
 
 ――ああ、部長に見て欲しい。奈々葉のエッチなところを……。
 
「ああ、んっ……んあっ」
 
 小さな蕾を指先で探し、湿り気をまぶすようにそれを転がす。
 
 喉から漏れそうな声を抑えようと唇を噛む。
 
 ニチャ、クチュ……と言う音を聞きながら蕾を転がした。

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