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堅実メイドの献身

第3章 0時のティータイム

「教えてあげるよ。」

暎人はそう言った。と思う。

「はい。」

雅は少しぼーっとしながら答えた。眠気が来たのかもしれない。暎人の前でも眠るわけにもいかないので、カップをくいっと傾け半分ほど飲み干した。

「2種類の茶葉を使っていてね。これとこれ。」

容れ物を雅の前に置くと、雅の手をとり匙を握らせる。

「あ、ありがとうございます。自分でできますので、」

「いいから、いいから。」

そう言うと雅の後ろに回り込み、一緒に匙を握って茶葉をすくいとる。

「こっちのダージリンはスッキリした感じだから、多めにいれて、、、」

暎人が色々と説明してくれるが、まったく頭に入ってこない。
それより暎人の話す吐息が耳にかかるのが気になる。

その間にも、匙と雅の手を一緒に握り別の茶葉を入れ、湯の温度がどうのこうのなど説明が続く。

ー今日はもうダメだ。部屋に戻らせて貰おう。

「あの、今日はもう遅いので、、ひゃっ、、ん。」

「遅いから、、なに?」

暎人に右耳を触られてる。
触れるか触れないかの微妙なタッチで耳裏が指で擦られる。

触れられたところからゾクゾクした感覚が湧き出てきて、身を硬くする。

「耳、どうかした?」

暎人が問いかける。優しげな微笑みは何時も通りだ。朦朧としながら見上げると、見下ろしてくる目と視線が合う。

「あの、、ん、大丈夫なので、手を」

こんどは耳殼の輪郭をなぞるように触れてくる。

「手がどうしたの?」

もどかしい感覚に手を振り払いたくなるが、身体が思うように動かない。与えられる刺激に耐えられず身をよじるくらいだ。

「うん?、言ってごらん。」

そう言ってもう片方の耳にも手を伸ばし、左右のタイミングがズレるように触れてくる。

「ん、、もぅ、お離し下さい。、おかしっ、いです。」

増えた刺激に堪らず声をあげる。

「こんなに可愛い反応されて、離すわけないでしょ。」

片膝を雅の座る座面に乗せてきた。
距離がぐっと縮まり、雅はほぼ真上にある暎人の顔を見上げる。

「ふふっ、耳弱いの?こうされるの好き?」

「ふぅん、はな、、してくださ」

「教えてくれるまで、やめないよ。」

「す、、きじゃ、な、、。」

「ふうん、、じゃあこれは?」


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