 
ひとつ屋根の下の愛情論
第12章 沈殿する記憶と思い
「まぁな…母親の再婚相手の息子だ――――でも、俺にはもったいないくらいの…すげぇいい弟だよ」
「///あら、仲のいいご兄弟なのね!」
「まぁな…」
金江が律夏を見てうっとりしているのが分かる――――…
しかし、律夏は俺を見て微笑んだ。
背筋が…凍る――――…
やめてくれ…
笑わないで…
俺を――――“弟”って…
言わないで…
俺に微笑まないで――――…
優しく…目尻を下げないで――――…
「なら、似てなくても当たり前っすね!弟君色白で綺麗系っすもんね!
律夏先輩の弟だったらゴリゴリの体育会系っすよね!そんなんじゃ俺は萌えないっす!」
ケラケラ笑う木戸に俺は「ゴリラって…」と、一緒に笑う。
ダメだ――――…帰りたい…
帰りたい…
いや――――…消えたい…
 
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