ひとつ屋根の下の愛情論
第13章 膨れる危欲感
レストランからタクシーで帰る最中…
秋音は窓のそとを眺めながら、グッタリしている。
「――――俺…これからどうやって生きていこう…」
そう呟くと…自分で自分を抱き締めた。
ゾッと――――した。
不安――――恐怖…あの日のフラッシュバック…
何も解決していない。
秋音の重荷は――――何一つ解決出来てはいないのに…
その、怯える姿でさえ――――俺は嬉しく感じるなんて…
病気だ――――。
このままじゃ……俺すらも秋音の悩みの種になりかねない…
でも――――離れたくないんだ…
側にいたい…
触れられなくても…欲情をぶつけられなくても…
俺はお前の側に――――いたいんだ…
いつか…お前が
誰かを好きになり、その人と生きていくと決めるその時も――――…その後も…
俺は…この気持ちを隠して――――…
側にいる。
でないと――――俺は…
息もできないほど…弱ってしまう。
秋音――――俺は…
お前が好きなんだ――――…
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