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ひとつ屋根の下の愛情論

第6章 現状維持の押し問答


「///んむっ、んん…ん…ん」


ヤバい――――ヤバい…ヤバい…


しかし、あの時は目の前が真っ暗で何をされているのか分からない状態だったが…今は違う!


手も動く――――…

目も見える――――…

足も動く――――…


縛られない――――…



あの日とは…違う!



俺は、恐る恐る…客間の扉を少し開け――――…中を覗いた。



すると、律夏の苦しそうな顔が見えた。

まさしく――――目をギュッっと瞑り「んっ、んん」と、唇を噛み締めながら……自慰しているところだった。


斜め後ろの…その姿でも――――…何をしているか分かってしまうほど…俺はガキじゃないって事だと…自覚する。


オナニー…してる…


「ハァハァ…あっんんん」



――――シュッシュッ…スコスコ…


微かではあるが…自慰特有の音がテレビの微音量に混ざって聞こえる。


そして、あのワイルドな顔がグッと一瞬険しく鋭くなり――――!


のけ反る!



「///――――」



「くっぁ///――――で…んんん!……んっ…んっ…///ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ……」


苦しそうな表情の中に…解放された甘い緩みを纏い…


律夏は天を仰ぐように大きく深呼吸をした。








――――綺麗。




あんなに…怖かった――――…男の自慰が…


こんなにも綺麗でかっこよくて…目が離せないものだとしたのなら…




俺は――――……犯されても…良かったかもしれない…



と、律夏の姿を見て――――思った。






しかし、その考えは……


絶対違う!違う目を覚ませ!



と、警告音も頭のなかで鳴り響いていた!





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