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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第12章 君と私とロバと……



え……どこが可愛いの……。
とんでもなくブサイクじゃない……。

携帯に映し出されている写真には、真っ青な顔をして白目を剥く、もの凄くブサイクな私の姿があった。
その後ろには、ちゃっかりとカメラ目線で笑顔を向けるひぃくんが。

「え……。凄くブサイク……」
「そんな事ないよー。いつも通り可愛いよー」
「……えっ……いつも通り……?」
「うん、いつも通りー」

フニャッと笑って小首を傾げるひぃくん。

私……いつもこんなにブサイクなの?

携帯画面に映し出された自分の顔を見つめ、思わず顔を引きつらせる。

「待ち受けにしちゃおーっと」

嬉しそうにニコニコと微笑むと、そう言って携帯を操作し始めたひぃくん。

「できたーっ! ほら見てー、花音可愛いー」

……どこが?
それのどこが可愛いの……?

ニコニコと微笑みながら携帯を見せてくるひぃくん。

そこに映し出されているのは、白目を剥いた私の顔のドアップ写真。

何故ドアップ……。
これが可愛いって……本気?

ニコニコと嬉しそうに携帯を掲げるひぃくん。

お兄ちゃん達をチラリと見ると、とてもドン引いた顔をしている。

ひぃくん……。
お願い、やめて……。

みんな引いてるよ。
どうかしてるよ、そのセンス……。

……絶対に待ち受け解除してもらおう。

私はそう思いながら、目の前に映し出されるブサイクな自分の顔をジッと見つめた。

これが……私のいつも通りの顔……。
本当に……?
私……こんなにブサイクなの……?

真っ青な顔をして引きつる私は、小さく笑い声を漏らすと薄く笑う。

死にたい……。
私、めちゃくちゃブサイクだよ……。

ひぃくん……こんな私のどこが好きなの?
なんか……ありがとう。

ニコニコと微笑むひぃくんに視線を移すと、私は笑顔を引きつらせながら感謝したーー。




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