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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第15章 君とハッピーバレンタイン



「見て見てっ! このデコレーションどうかな?! 」

我ながら上手く出来た仕上がりに、自信たっぷりに彩奈へとチョコを見せる私。

「うんっ、可愛いね」

そう言ってニッコリと微笑む彩奈の手元を見ると、相変わらずの上手さで……。
私の作ったチョコなんかよりもよっぽど美味しそうに見える。

あー……今すぐ食べてしまいたい。
どうせ毎年くれるんだから、一つくらい今貰ってもいいよね?

そんな事を考えていると、私の視線に気付いた彩奈が口を開いた。

「これはダメ」
「えっ……」

ま、まさか……今年からはもう私にバレンタインのチョコ、くれないの……?

そんな事を考えながら、泣きそうな顔をして彩奈を見つめる私。

すると、突然プッと吹き出した彩奈が笑顔で私にチョコを差し出した。

「はい、これならいいよ」
「わーいっ! ありがとう、彩奈! 」

途端に笑顔になった私は、彩奈からチョコを受け取るとそのまま口の中へと入れた。

美味しぃーっ!
やっぱり彩奈のチョコは毎年美味しいなぁ。

口いっぱいに広がるチョコを堪能しながら、思わず顔がニヤけてしまう。

毎年バレンタインの時期になると、彩奈と一緒にチョコ作りをしている私。
こうして作りながらのつまみ食いも、私にとっては毎年の恒例なのだ。

それにしても……。
あれだけ何だかやたらと凝っている。
ラッピングだって、他とは違って随分と豪華だ。

彩奈がラッピングをしているチョコを眺め、そんな事を思う。


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