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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第17章 ★君の為にできる事〜side響〜



小さな寝息を立てながら気持ち良さそうに眠る花音を眺めて、俺は優しく髪を撫でると小さく微笑んだ。

「ーーあら? 花音寝ちゃったのねぇ」
「うん」

俺の膝の上でスヤスヤと眠る花音を見たおばさんは、そう言うとクスリと小さな笑い声を漏らす。

「ごめんねぇ、重たいでしょ? ……今退かすわね」
「ううん、平気」

申し訳なさそうな顔をするおばさんに向けてニッコリと微笑むと、俺はその視線をすぐに花音へと戻した。

少しだけ丸くなって眠る小さな花音は、何だかとっても可愛いくて……
その姿を見ているだけで自然と顔がニヤケてしまう。

「響……お前、凄く気持ち悪いぞ」

そんな俺を見た翔は、少し痙攣《ひきつ》った顔をしてそんな事を言った。

……気持ち悪い?
ただ膝枕してあげてるだけなのに……。

あっ……そうか!
翔も膝枕がしたいんだ。
翔は花音のお兄ちゃんだから……ヤキモチ妬いちゃったのかな。

普段から花音の面倒見がいい翔を思い出した俺は、その妹思いな発言にクスリと笑い声を漏らす。

「大丈夫だよ、順番こねっ」
「……何の話しだよ」

ニッコリと笑った俺を見た翔は、そう言うと更に顔を痙攣《ひきつ》らせた。

翔ったら、あんなに照れちゃって……。
何だかそんな翔が面白くて、俺は小さくクスッと笑い声を漏らす。

一人照れている翔をそのままに、再び膝へと視線を戻した俺は、未だ膝の上でスヤスヤと眠る花音を見つめてニコリと微笑んだ。

「何だか……ひぃくん今日は凄くご機嫌ねぇ。何か良い事でもあったの? 」

幸せそうにニコニコと微笑む俺を見たおばさんは、そう言うと小さく首を傾げる。


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