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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第4章 君はやっぱりヒーローでした



「わ、私……あの……」

ーーー?!

蓮さんの手が突然私の太腿に触れ、驚いた私はビクリと肩を揺らす。

な、何?!やだ……!

太腿に触れる蓮さんの手を掴むと、その手を退けようと力を込める。

両手で掴んでいるというのに、蓮さんの手はビクともしない。
スカートの中に少しだけ入ったその手に、恐怖で気付けば涙が出ていた。

「やめっ……やめ、てくださ……っ」

ガタガタと震える身体で、涙を流しながら小さな声で懇願する。

辞めてくれると思っていた。
初対面でよくわからない人とはいえ、私は泣いているのだ。

「ごめんね」と言って手を離してくれる。
そう期待していた私は、頭上から聞こえてきた声に思考が追いつかなかった。

「大丈夫だよ、大人しくしててね」

そう言って私をソファへ押し倒した蓮さんは、私に跨ると片手で私の口を塞いだ。

ーーー!!?

突然の出来事に、状況が理解できない。

何、これ……?何……?!
いや……怖い……っ!

ガタガタと震えながら、次々と流れてくる涙。

怖いよ……怖い!
助けて……!助けて、ひぃくん……っ!

何故か私の頭に浮かんできたのは、笑顔のひぃくんだった。

ごめんなさい。
黙って合コンになんて来るんじゃなかった。
もうしない。絶対にしないから。
だからお願い……ひぃくん助けて!!

ギュッと硬く目を閉じた瞬間、部屋の扉が乱暴に開かれた。

ーーーバンッ

その音に反応して、閉じられていた私の目はパッと開く。

目の前に見えるのは私の上に跨っている蓮さん。
その蓮さんがグンッと一瞬上へ持ち上がると、そのまま横へ吹き飛んだ。

「花音っ!」

来てくれた……
助けに来てくれた……!

視界に入ってきたひぃくんの姿を見て、私は安堵からボロボロと涙を流した。

「ひぃ……ぐっん……っ」
「大丈夫、大丈夫だよ、花音。怖かったね、もう大丈夫だから」

私を抱き起こしてくれたひぃくんは、そのまま私を抱きしめると優しく頭を撫でてくれる。

何度も何度も「大丈夫だよ」と言ってくれるひぃくんのその声は、とても優しく私の耳に響いて……
何だかとても安心したーー。

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