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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第10章 君とハッピーバースディ



「何だよその構ってあげるって?! ……お兄ちゃんて呼ぶなっ! 俺はお前の兄貴になった覚えはないし、なる気もない!」
「でも……弟にはなれないよ?翔《かける》は我儘だなー」
「……っ?! 誰が弟になりたいなんて言ったよっ! お前の脳内は一体どーなってんだよっ!」

お兄ちゃん達のやり取りを見つめながら、ただ呆然と固まる私。

ひぃくん……。
私まだ結婚なんて考えてないよ……。
……これいつから用意してたの?

見覚えのある封筒を見て、私の顏は思わず引きつる。

テーブルに置かれた水色の封筒。
それは、昔私がひぃくんにあげた物によく似ていた。

高校受験を控えたひぃくんに、お守りを入れて渡した封筒。
それは水色の封筒で、下に小さなお花の絵が描いてあった。

テーブルに置かれた水色の封筒には、下に小さなお花の絵が描いてある。

まさか……ね。
いや……
似てるだけ、似てるだけだよ……。

私は引きつる顏で笑顔を作ると、ハハッと小さく声を漏らしたーー。


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