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びっくり事件簿

第1章 飛んできた財布

その事件は、私が車を運転していた時に起きました。

自宅から実家へ向かう途中の道路を走行中、沿道で取っ組みあいの喧嘩をしている中年ぐらいの男女が一組いました。

その二人が夫婦なのか、友人関係なのか、それとも兄妹(姉弟)なのか、それはわかりません。ただ、当時30代だった私よりは二人とも年上に見えました。

もしかしたら、不倫の関係で別れ話から揉めていたのか…。

口喧嘩ではなく、取っ組みあいのケンカをしていたその二人組が私の視界に入ってきた次の瞬間。女のほうが男のほうの服のポケットから何かを奪い取りました。そして、ふりかぶって・・・投げる!!

野球選手が野球の球を投げるような勢いで何かを投げたその女性。飛んできた何かは私の車めがけて!!

べしょっ!!

という大きな音と共にフロントガラスに激突し、そのままボンネット上に引っかかって留まったそれは…黒い財布らしきもの。

そう。見知らぬ男と女のケンカに思いがけず巻き込まれたのです。完全なるとばっちり!!

後続車もいるし、急ブレーキは危険だし、財布が飛んできたからといってさすがに急には停まれません。しかし、乗っかった財布をそのままにして走り去るわけにもいきません。

ゆっくりと減速し、男女二人組をだいぶ通り過ぎたあたりでハザードランプ点けて停車。しばらく待っていると、投げた女性のほうが財布を引き取りに来ました。

こんな経験なかなか出来ないですが、まぁあんまりしたい経験でもないです。しかし何を揉めてたのか、真相は謎のままです。



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