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Melty Life

第2章 初デート


 今日は、会いに行ける。教室を訪ねる口実が、しっかりある。

 明日の試験最終日まで待つ手もあったが、来須のファンの一人がわざわざあかりにくれた情報によると、彼らのクラスの明日の試験は、残すところ現国と保健体育だけらしい。水和の得意教科でもあって、押しかけても数分程度なら迷惑にならないだろうということだった。


「あ、そうだ。あかり」


 にわかに眞雪がノートを閉じた。彼女は長いツインテールが腕に絡まったのを邪険に払うと、また机の脇のフックから、さっきとは別の袋を取り上げた。今度はコンビニのレジ袋。


「朝ご飯。休み時間にでも食べて」

「えっ、また?……ありがと。気持ちは嬉しいけど、いつも、いいよ」

「ダメー。たまに私が持ってこないと、しょっちゅう食事抜いてるじゃない。細いのに。友人の愛だと思って、遠慮しないで」


 レジ袋を覗くと、期間限定苺のプリンとバナナのドーナツが入っていた。試験の合間の糖分摂取に効きそうだ。

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