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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第2章 聞こえちゃう

暗くなった書斎の中で、あたしは志桜さんに座ったまま抱きしめられていた。



意識が朦朧としていて、体に力が入らなくて、あたしは彼に身をゆだねたままだった。



志桜さんはあたしの頭や頬をゆっくりと撫でている。



その動きが、さっきまでの激しさと違って、とても優しいものだった。



「優依のナカ、汚しちゃったね。僕の指で」



何を今さら、なんて思う。



「…血がついてる」



「え…」



「優依の、ハジメテの証」



彼はその指をあたしの目の前で見せる。



正直、頭がぼんやりしていてよくわからない。



「優依、綺麗だよ」



志桜さんはあたしの髪にキスをした。



そして彼はあたしの頬にも軽いキスをした。



あたしは、また涙を流した。



「優依の泣き顔も、綺麗だ」



志桜さんがあたしの頬を流れる涙を舌で舐める。



「ん…」



彼はそのままあたしの唇にキスをした。



「っふ…」



唇を舐められる。



「ん、あ…」



彼は無理矢理あたしの唇をこじあけながら舌を挿入する。



「ん、ふ…あ…」



ちゅく、ちゅく…



唇と舌が触れ合って絡みつく音が、室内に響き渡る。



あたしは、自分から舌を出して絡めていることに、気づいてしまった。



だけど、認めたくなかった。







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