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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第18章 あたしたちの未来

「僕に隠しごとしてもダメだよ」



「隠してなんか…」



ドキドキドキ…



「ちゃんと話して」



志桜さんがちょっと怖い顔をする。



もう、言わなくちゃいけないの?



「あの…」



「うん、どうしたの?」



「ちょっと遅れてて…だけど、まだ分からなくて…」



「優依、もしかして?」



あたしは少し恥ずかしくなって志桜さんを見上げた。



彼は少し驚いた顔をしている。



「まだ検査もしてないし、病院にも行ってないから」



「りゅうに弟か妹ができるんだね?」



志桜さんはにっこり笑った。



あたしは嬉しくなって「うん」とはっきり答えた。



「どっちかな?」



「まだ、妊娠してるか確定じゃないよ。あんまり期待しないで」



「優依は分かってるでしょ?」



「…うん」



あたしは手のひらで自分のお腹を撫でた。



ここにいるの、ママは分かってるよ。



どっちでもいいの。



元気に生まれてきてくれるなら。



「優依」



志桜さんがあたしを抱き寄せる。



そしてりゅうちゃんを抱っこして三人で顔を寄せ合った。



「ありがとう」



志桜さんの言葉にあたしは涙が出そうになった。



「あたしも、志桜さん…ありがとう」







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