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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第4章 感じちゃう

「晃くん!」



急いでリビングに行くと、ソファに座っていた彼が立ち上がった。



「優依ちゃん、具合はどう?」



「うん、大丈夫。来てくれてありがとう」



三坂さんはあたしたちに熱いハーブティーを淹れてくれた。



「熱いのでお気をつけください」



「ありがとう」



あたしは三坂さんに笑顔でお礼を言った。



「それにしても、すごく広い家だね。びっくりしたよ」



晃くんはリビングを見わたしながら驚いた顔をしている。



今、私たちが座っているソファはとても座り心地がよくて、きっとすごく高価だと思う。



棚の上には高価な置き物が置かれていて、ガラスのドアがついた本棚には分厚い本が並ぶ。



「うん…広くて、あたしもまだ迷っちゃう。自分の部屋に行くのも一苦労だよ」



「そうなんだ?」



あたしの部屋はお屋敷の隅っこにあり、共用部分からかなり離れている。



だから志桜さんはあたしの部屋で堂々とあんなことができるんだ。



さっきのことを思い出して、顔が火照ってきた。



「親戚の家なんだっけ?もう生活には慣れたの?」



「そ、そうだね」



ちっとも慣れない。それどころか、毎日が憂鬱でたまらない。



…なんて、言えるわけがない。




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