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隣のアイドル

第2章 *Episode1




「た、ただの、
民間サラリーマンです…!
今日は休日出勤でいなくて……」


「サラリーマンか……

忙しそうですね。」






民間サラリーマンが、
こんな超高級マンションに住めるはずないのに。



こんな嘘ついてどうすんの…!!


もう自分のバカ…!!







「ママー!
おやつ終わったー!」






美咲が俯いて気まずそうにしてると、
タイミングよく柚花がつくねを連れて戻ってきた。






「お兄ちゃん、また遊ぼうね!」


「そうだね!
今度はパパとママと3人で遊びにきてね!」






ヤバッと渋い顔をした美咲







「柚花のパパいないよー」






子供は素直。


美咲の気持ちなんて読めるはずなかった。






「柚花のパパは外国にいるの!
だから柚花も会ったことないの。」


「…外国?」







裕太は首を傾げる。




蒼井さんの視線が痛い。


こっちを見てるのがわかるから顔を上げられない。








「…そっか!パパ忙しいんだね。」





そう言うと、つくねを抱き上げた裕太。




バレてる………


絶対にバレてる……


咄嗟についてしまった嘘。


何に怯えて嘘なんか、、
自分でもわからなかった。






「では、お邪魔しました。」







玄関のドアを開けると、スッとその場からいなくなった蒼井さんを私は見送ることができなかった。


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