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ぼっち─選択はあなたに─

第20章 伯爵の屋敷

 クロードが負けを認めると、会場では大歓声が沸き起こった。

「きゃ~! やったわ! メキユちゃん、勝ったわよぉ~!」
「あの盾を破壊するなんてすげぇぞ、ちびっこ! やるじゃねぇか!」
「メキユちゃん、すごい! 私感動しちゃったよ!」

 観客たちが喜びの声をあげる中、クロードは退場しながらヒカルのいる特別席を見上げた。

「クロードっ……」

 クロードの姿を追っていたヒカルはすぐに気づき、クロードの名を呼ぶ。
 クロードは切ない表情をすると「すまない」と言って会場をあとにした。

「クロードっ……!」

 ヒカルはクロードのあとを追おうと、特別席から出ようとした。しかし、メイドたちに進路を塞がれてしまう。

「どこへ行く。もうお前は私のメイドなのだぞ」
「!」
「残念だったな、恨むなら負けたクロードを恨め」
「恨みません! クロードは私のために本気で戦ってくれたんだから!」

 ヒカルはザッハ伯爵を睨むと、渋々もとの席に戻った。やはりもう、このままクロードに会えないのだと確信する。

「ユズリノさん……ユズリノさんを牢屋から出してください!」
「ん? ああ、あの生意気な女か」
「関係ない人を巻き込まないでください!」
「ふっ……それくらいの頼みなら聞いてやろう」


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