
ぼっち─選択はあなたに─
第28章 魂の世界
「ワンワン!」
さっきの白い犬が、ヒカルとヤクモの前に再び現れた。
「あなた、さっきの……盗賊たちについていったんじゃないの?」
「ワンワン!」
白い犬は池がある方向へと走り出して、再び吠える。
「池に……何かあるの?」
「行ってみましょう」
小屋のそばの池に近づくと、水面に沢山の魚が浮かんでいた。
「これって……!」
魚たちはみんな死んでいた。
恐らく原因は、マナミが記憶を戻すという紫色の液体を池に投げ捨てたからだろう。
「毒だったんだっ……」
どっちにしろ、二人を助ける気はなかったんだとわかったら、怒りが込み上げてきた。
「ワンワン!」
白い犬は再び吠える。
白い犬が見つめる先には、池の真ん中にある小さな小島だった。そこには何かポツンと光るものがあった。
「確認しますか?」
ヒカルが頷くと、ヤクモは黒い翼を広げてヒカルを抱きかかえた。小さな小島に降り立つと、そこには一輪の花が咲いていた。
「これは……」
「ツキカゲソウですね、夜にしか咲かない花と聞いております」
しかしまだ夜ではない。
なのにツキカゲソウは眩しい光を放って、まるで誰かに見つけてほしいかのように咲いている。
そういえばアクアが言っていた。
『私ね……西の森に咲くツキカゲソウの前でプロポーズされたの。ツキカゲソウは夜にしか咲かない花でね、その花の前で祈ると願いが叶うらしいの』
さっきの白い犬が、ヒカルとヤクモの前に再び現れた。
「あなた、さっきの……盗賊たちについていったんじゃないの?」
「ワンワン!」
白い犬は池がある方向へと走り出して、再び吠える。
「池に……何かあるの?」
「行ってみましょう」
小屋のそばの池に近づくと、水面に沢山の魚が浮かんでいた。
「これって……!」
魚たちはみんな死んでいた。
恐らく原因は、マナミが記憶を戻すという紫色の液体を池に投げ捨てたからだろう。
「毒だったんだっ……」
どっちにしろ、二人を助ける気はなかったんだとわかったら、怒りが込み上げてきた。
「ワンワン!」
白い犬は再び吠える。
白い犬が見つめる先には、池の真ん中にある小さな小島だった。そこには何かポツンと光るものがあった。
「確認しますか?」
ヒカルが頷くと、ヤクモは黒い翼を広げてヒカルを抱きかかえた。小さな小島に降り立つと、そこには一輪の花が咲いていた。
「これは……」
「ツキカゲソウですね、夜にしか咲かない花と聞いております」
しかしまだ夜ではない。
なのにツキカゲソウは眩しい光を放って、まるで誰かに見つけてほしいかのように咲いている。
そういえばアクアが言っていた。
『私ね……西の森に咲くツキカゲソウの前でプロポーズされたの。ツキカゲソウは夜にしか咲かない花でね、その花の前で祈ると願いが叶うらしいの』
