
ぼっち─選択はあなたに─
第28章 魂の世界
「君は自由だ。これからどう生きるかは、ヒカル……君が決めていいんだよ」
「!」
「君はどうしたい? 君を待つ母親を"ヒカリ"として支えていくか、この魂の世界で本来の自分ヒカルとして生きていくか。それとも……君自身の力で未来を切り開いていくか」
「……っ……」
いざ選択するとなると、迷ってしまう。
現実世界では、ずっと母親に縛られていた。だから魂の世界では、無意識に自分自身に呪いをかけてしまっていた。
(でも出会った人みんな優しかった……。クロード、リュージン、レイナ、バット、ヤクモさん……)
彼らももしかしたら魂のみになる選択をした人たちだったかもしれないけど、でもお陰でかけがえのないものを手に入れることができた。
ここでなら自分の存在を認めてもらえるんだって……。
「君の選択が決まり次第、ここを封鎖することにする」
「えっ……」
「この装置は世に出さない方がいいからね。大丈夫、君たち母娘が一生分生活できる金額は銀行に振り込んでおいたから」
「久遠さんはどうするんですか? シミュレーションの世界に入った人たちはっ……」
「コンピューターの管理は人工知能に任せてある。私は息子と共に生きるよ」
「……っ!」
(じゃあ私が現実世界で生きることを選択した場合、もう二度と彼らとは会えなくなる? でも母親はたった一人の……)
「さあ、ヒカル。君はどう生きる──?」
「私は……私の答えは───」
【END】
「!」
「君はどうしたい? 君を待つ母親を"ヒカリ"として支えていくか、この魂の世界で本来の自分ヒカルとして生きていくか。それとも……君自身の力で未来を切り開いていくか」
「……っ……」
いざ選択するとなると、迷ってしまう。
現実世界では、ずっと母親に縛られていた。だから魂の世界では、無意識に自分自身に呪いをかけてしまっていた。
(でも出会った人みんな優しかった……。クロード、リュージン、レイナ、バット、ヤクモさん……)
彼らももしかしたら魂のみになる選択をした人たちだったかもしれないけど、でもお陰でかけがえのないものを手に入れることができた。
ここでなら自分の存在を認めてもらえるんだって……。
「君の選択が決まり次第、ここを封鎖することにする」
「えっ……」
「この装置は世に出さない方がいいからね。大丈夫、君たち母娘が一生分生活できる金額は銀行に振り込んでおいたから」
「久遠さんはどうするんですか? シミュレーションの世界に入った人たちはっ……」
「コンピューターの管理は人工知能に任せてある。私は息子と共に生きるよ」
「……っ!」
(じゃあ私が現実世界で生きることを選択した場合、もう二度と彼らとは会えなくなる? でも母親はたった一人の……)
「さあ、ヒカル。君はどう生きる──?」
「私は……私の答えは───」
【END】
