
ぼっち─選択はあなたに─
第8章 カボチャ祭り
「クロード……」
「ちょうど今、ヒカルの様子を見に行くところだったんだ。体はもう大丈夫なのか?」
一瞬、ヒカルは動揺してしまう。
「ああ……すまない。二人とも俺の声で襲われたんだったな。だが安心してくれ、俺はシャドーに食べられていない」
「じゃあどうしてシャドーはクロードの声真似を……?」
「それは調査中だ。今までそんなことはなかった──いや、まだシャドーのことを全て把握してなかったと言うべきか」
「そうなんだ……」
「これからどこかに行くのか?」
「あっ、そうだ、クロード! ザッハ伯爵が──」
そう言いかけた時、ちょうど後ろを「わあ~」と子供たちが走りかけていき、ヒカルは背中を強く押された。
「あっ」
よろめくヒカルの体をクロードは咄嗟に支える。
「大丈夫か?」
「ごめん、ありが……」
顔をあげるとすぐにクロードの顔が間近に見えて、ヒカルは思わずドキッとした。
「あら~クロードさん、ナツミちゃん戻ってきたのかい?」
すると今度は、横から通りすがりの年配女性に話しかけられた。
(ナツミ……!?)
「無事で良かったよ~モンブラン城に行ってから全然戻ってこないから、あたしたち心配してたんだよ~……ってあら? ナツミちゃんじゃない?」
陽気に話す年配女性はヒカルの顔に気づくと、「ごめんなさいね~」とそそくさと去っていった。
「ちょうど今、ヒカルの様子を見に行くところだったんだ。体はもう大丈夫なのか?」
一瞬、ヒカルは動揺してしまう。
「ああ……すまない。二人とも俺の声で襲われたんだったな。だが安心してくれ、俺はシャドーに食べられていない」
「じゃあどうしてシャドーはクロードの声真似を……?」
「それは調査中だ。今までそんなことはなかった──いや、まだシャドーのことを全て把握してなかったと言うべきか」
「そうなんだ……」
「これからどこかに行くのか?」
「あっ、そうだ、クロード! ザッハ伯爵が──」
そう言いかけた時、ちょうど後ろを「わあ~」と子供たちが走りかけていき、ヒカルは背中を強く押された。
「あっ」
よろめくヒカルの体をクロードは咄嗟に支える。
「大丈夫か?」
「ごめん、ありが……」
顔をあげるとすぐにクロードの顔が間近に見えて、ヒカルは思わずドキッとした。
「あら~クロードさん、ナツミちゃん戻ってきたのかい?」
すると今度は、横から通りすがりの年配女性に話しかけられた。
(ナツミ……!?)
「無事で良かったよ~モンブラン城に行ってから全然戻ってこないから、あたしたち心配してたんだよ~……ってあら? ナツミちゃんじゃない?」
陽気に話す年配女性はヒカルの顔に気づくと、「ごめんなさいね~」とそそくさと去っていった。
