
ぼっち─選択はあなたに─
第8章 カボチャ祭り
ヒカルが大声を出したことで、一瞬場が静まる。
「おや? 君は──迷子かな?」
ザッハ伯爵はヒカルを下から上まで眺めたあと、クスリと笑った。つられて周りの女たちもクスクス笑う。
「ま、迷子じゃありません! あなたにお願いがあるんです! モンブラン城に住むのはやめてください! モンブラン城の周りにはシャドーがいて危険なんです! それにもしかしたらモンブラン城の中にだってシャドーがいるかもしれないんですよ!」
ヒカルは一気に捲し立てると、黙って聞いているザッハ伯爵の返事を待った。
「──だから?」
「えっ?」
「危険だからなんだと言うんだい? それは、よそ者には関係ない話だろう」
「!」
「それにモンブラン城が危険だというのは十分承知。だから討伐隊に調査を依頼しているんだよ。なぁ、クロード」
ニヤリ、とザッハ伯爵はヒカルのそばに立っているクロードに笑いかけた。
「それとも、クロード。お前も私に何か不満があるとでも?」
クロードは無表情のまま、ザッハ伯爵を見据える。
「それについてですが──モンブラン城の調査は俺一人だけにしてほしい」
「クロード!?」
「ほう」
「これ以上死人を出したくないんだ。その代わり、モンブラン城の調査が終了するまで、俺は町には戻らない」
「!」
まさかのクロードの決心にヒカルは動揺する。
「おや? 君は──迷子かな?」
ザッハ伯爵はヒカルを下から上まで眺めたあと、クスリと笑った。つられて周りの女たちもクスクス笑う。
「ま、迷子じゃありません! あなたにお願いがあるんです! モンブラン城に住むのはやめてください! モンブラン城の周りにはシャドーがいて危険なんです! それにもしかしたらモンブラン城の中にだってシャドーがいるかもしれないんですよ!」
ヒカルは一気に捲し立てると、黙って聞いているザッハ伯爵の返事を待った。
「──だから?」
「えっ?」
「危険だからなんだと言うんだい? それは、よそ者には関係ない話だろう」
「!」
「それにモンブラン城が危険だというのは十分承知。だから討伐隊に調査を依頼しているんだよ。なぁ、クロード」
ニヤリ、とザッハ伯爵はヒカルのそばに立っているクロードに笑いかけた。
「それとも、クロード。お前も私に何か不満があるとでも?」
クロードは無表情のまま、ザッハ伯爵を見据える。
「それについてですが──モンブラン城の調査は俺一人だけにしてほしい」
「クロード!?」
「ほう」
「これ以上死人を出したくないんだ。その代わり、モンブラン城の調査が終了するまで、俺は町には戻らない」
「!」
まさかのクロードの決心にヒカルは動揺する。
