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ぼっち─選択はあなたに─

第8章 カボチャ祭り

「私に意見を述べるとはいい度胸だ。この辺りでは見かけない格好だが……まさか他国からのスパイではあるまいな?」
「ち、違いますっ……!」

 ヒカルは慌ててザッハ伯爵から離れると、クロードに助けを求めた。
 クロードはヒカルを庇うようにスッと前に出る。

「伯爵様、この者はスパイではありません」

 そうはっきり言うクロードの行動に周りはざわついたが、ザッハ伯爵は二人を交互に見るとフッと鼻で笑った。

「いいだろう。その度胸に免じて、娘の言うことを聞いてやろうじゃないか」
「えっ……!?」
「ただし、勝負して勝ったらの話だがな」

 ザッハ伯爵はニヤリと笑った。

「勝負!? 勝負って……」
「明日開かれる、バトルトーナメントの優勝者と勝負してもらう、クロードにな。クロードが勝ったら、モンブラン城からは手を引いてやろう」

 ザッハ伯爵がそう宣言すると、今度は周りの男たちがざわついた。

「うおおおお、こりゃ盛り上がるぜえ!」
「俺はクロードが勝つ方に1000ベルト賭ける!」
「いや、まだわからねぇぜ! 前回優勝者も出るって言ってたしなぁ!」

 男たちが勝手に盛り上がる中、ザッハ伯爵は更に話を続けた。

「ただしクロードが負けた場合はクロードは一人でモンブラン城へ調査に行き、お前は私のもとでメイドとして働くのだ」
「!!」

(嘘でしょ……なんだかとんでもないことになっちゃった!)


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