無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

『すごいです！！ 一体何が起きたんでしょうか！？ 速すぎて全然見えませんでした！！ しかしアバレセーラー選手は戦意を喪失した模様で、地面に座り込んだままです！ これはもうヤマモトゲンスケ選手の勝ちということでよろしいでしょうか～！！』

　司会のユッキーメが興奮気味でアバレセーラーに問いかける。

「悔しいけど、降参よ……もうこんな姿じゃ戦えないもんっ……」

　アバレセーラーは悲しすぎて、悲しみの歌を唄い始めた。そんなアバレセーラーにヤマモトゲンスケはゆっくりと歩み寄る。

「な、なによっ？」

　ヤマモトゲンスケは無言でアバレセーラーを見下ろすと、自分の羽織をアバレセーラーの下半身にかけてやった。

「……」

　その行動を見て、アバレセーラーは僅かに胸をときめかせる。

「ね、ねえっ……どうしてあたしを斬らなかったの？」
「……某(それがし)は女は斬らん」
「！」
「しかしそなたのエンジェルブレイクには楽しませてもらったぞ」

　そう言うと、ヤマモトゲンスケは初めて笑みを浮かべた。

『キャ～！ ヤマモトゲンスケ選手、渋くて素敵ぃぃ～！！ ということで、第三回戦の勝負はヤマモトゲンスケ選手の勝ちですっ！！』

ウラユ「やったあ！ ゲンスケさんが勝ったぁ！ 嬉しいぃ～！」
レシピェール「あの必殺技はやばいわね。もしかしたら今回のバトルトーナメントの優勝者はヤマモトゲンスケかもしれないわ」
ゲンブ「いや、それはどうかな」
レシピェール「！」
ゲンブ「次の試合……モンスターが出るんやで。楽しみや」