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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第6章 新しい世界、新しい生活。

 けっこうギリギリだった…ハズ。私の大学受験。合格したのは、たぶん…ほぼ奇跡。
 だけど、補欠からの繰り上げ合格だろうが、首席合格だろうが、なんであれ受かればOK、入学してしまえばこっちのもの。

『受験生』というレッテルからも解放されて、晴れて女子大生だー!! キャンパスライフを楽しむぞ~~!!

同じ高校から一緒に入学する子はいないけど…、吹奏楽部繋がりや塾関係の繋がりで知ってる子も何人かいるし、それにやっぱり、なんといっても中村君と同じ大学に行けるの嬉しい!

次は、中村君の『彼女』に合格できますように、な〜んて、きゃー、恥ずかしー。やだー!!
あぁあ、あたしったら、柄にも無くソワソワしてるぅ。

へ……、平常心、平常心。落ち着け、私。

えーと…引っ越しはもうちょっと先だけど、荷物の整理とかは少しずつ始めなきゃね。なにがいるかなぁ。服とかも新しいの欲しいなぁ。大学生になったら、高校までと違って制服が無いから、私服も増やさなきゃいけないし。

あっ、お化粧??女子大生ってお化粧するのかなぁ?
たぶん…するんだよね。早い子は高校生でもしてる子いるし…。
メイクの勉強もしなきゃ。えー…どうしよう。
あっ、サキちゃん!!サキちゃんに教えてもらおう。

私は、塾で一緒だったサキちゃんのことを思い出した。

えーと……。え、なんて送ればいいんだろ?

LINEのアドレス交換だけはわりと早い時期にしてたけど、塾へ行けば普通に会うから、その時に直接話すばかりで、LINEでのやり取りを一度もしていなかったことに気付いて愕然とした。



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