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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第13章 夏祭りと告白

ミナたちカップルと別れた後、家まで送ると言ってくれた澄くんと駅に向かった。


「姫路さんの路線の人混みはんぱないね」



長蛇の列でいつ帰れるかわからないほどホームがごった返している。


「澄くん……先に帰って? ここまで送ってくれてありがとう」



「何言ってんの。絶対危ないだろ。とにかく送るから」


「……うん、ありがと」


ということで、慣れない下駄で疲れた足を休めるために、ファミレスに入って時間を潰している。


「姫路さん、家には連絡したの?」


「うん。うち今日はお兄ちゃんしかいないから、大丈夫」


「へぇ、お兄さんいるんだ」


「うん。澄くんはきょうだいいる?」


「うちも兄がいるよ」


「へぇ、何歳?」


「二個上」



「近いんだね。同性で年が近いと仲よさそうでいいなぁ……」


「確かに仲いいかも。色……姫路さんはお兄さんと何歳差?」


「6歳年上」


「じゃあもう大人なんだ」


「うん。もうすぐ結婚するって言ってた」


会話は流れるように続いてる。


もっと一緒にいたい。


時間がとまればいいのに。


そう思っても時は過ぎていく。



あと少しで終電の時間だ。


壁掛け時計はあたしの目線の先にしかない。


このままあたしが、時間を言わなかったら……どうなるんだろう。


ゴクっと唾をのんだ。


いや……そんなの絶対にだめでしょ。


澄くんはあたしと居たくなんかないんだから。


「もうそろそろ時間……」


と、あたしは正直に言ってしまった。


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