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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第4章 懐疑的なキス

翌日の朝。


4月の穏やかな朝日を浴びて、いつものようにサラとミナと一緒に校舎に入った。


「姫路色葉ちゃーん、こっち向いてー!」


ふざけて笑う知らない男子に「邪魔!」と一蹴するサラ。


癖のように、髪で顔を隠しながらうつむくと、ミナが唇を尖らせながら続けた。



「色葉ってばすぐ俯いちゃうのもったいないよ。今のひとかっこよかったよぉ?」


そしてはぁ、っとため息をついて、もう一度にんまりと笑う。


「色葉もカレシつくればいいのに! たのしいよー? ね、サラ!」


「うーん。色葉が誰かを好きになるってあんまりわたしは想像できないんだよね」


「……へへ」


それはそうだと思う。


あたしは好きな人なんてできたこともないし、正直恋バナだって苦手だもん。



「誰か紹介しよっかぁ?」


「もうミナ! 色葉に変な男あてがわないの!」


「えぇー。でもいつかトリプルデートしたいもん。それに色葉、こんなにかわいいんだよ?もったいないよ!」



ミナはあたしの頬をむぎゅっと正面から両手でつかんだ。



「色白の肌はこーんなすべすべの赤ちゃん肌だし、二重のくりっくりの目も。ちょっと童顔なとこも、超かわいいの……に……?」




ミナの動きが止まって、その視線が下がっているのに気づいた。



「……待って。色葉、これなに?」



ミナの手があたしの頬から外れ、人差し指が向くのはあたしの首元。


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