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邪恋の爪痕と片恋の彼

第9章 波


~真壁side~




「――――マジ…かよ…」




結局…境井さんは診察の結果…体調が戻るまで…2、3日入院することとなった。



で、下着を取りに境井さんのアパートを訪れて…俺は絶句している。



“断捨離”したと――――…言っていたが…


ここまでとは…。



4ヶ月前には考えられないほどの――――…部屋の変わりように…俺は唖然としていた。


唯一…カーテンがあって良かった…とは、思うが…


本当に何も無くてビックリしている。



玄関入ってすぐのキッチンには冷蔵庫もレンジも無く…ゴミ箱すら見当たらない。


そこからベッドがあった寝室に向かうと……



「え…広――――…?」



来たときは狭い部屋だと思ったが…ベッドもテーブルも棚も無い部屋を、広いとすら錯覚してしまった。



「――――…引っ越し…するっては…言ってなかったよな?」



とりあえず、唯一の収納スペースであるクローゼットを開けると…仕事用のスーツしか…ぶら下がっておらず…、申し訳なさそうにたたんである下着と一着だけあると言っていた部屋着がクローゼットの下に置いてあった。



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