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もう一度、君に会えたら

第2章 反則

こ、こんな、歌声っ、反則。。

「っ。センパイ。
この曲、僕以外の前で歌わないでください。
とくに、男とのふたりっきりでは厳禁ですっ!危険ですっ!」

「え?そんなひどい?」

正直、僕は聴覚からこんなにくるなんて思ってなくて。
反応した僕の血液は、一か所に集中する。

「めっちゃドクドクきてます」

「心臓に悪いってこと?
えー?吾郎ちゃん、大丈夫?AED要る?」

純粋に心配してくれるセンパイに、本当のことは言えなくて。

「すみません、センパイ。
ちょっと向こうの部屋に避難してください。
僕が行ければいいんですが、今、動けなくて」

「え?救急車、呼ぶ?」

「そういうことじゃなくっ。
どうもないから、早く!お願いしますっ!」

僕は前屈みに伏せながら、ドアを指さした。

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