テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第6章 植物園と銀の狼


「あ――――君は初めてか植物園…

あそこは、王族が優先的に使える、プライベートサロン…見たいな扱いなんだよ。

王族でも、ピンからキリだろ?屋敷の植物サロンに自信のない王族様がこぞって使いたがるんだ!お茶会だったり、晩餐会だったり…。ダンスホールや休憩室、会議室…下手すりゃ寝室やシャワールームまである、手軽な別荘――――って、感覚なんだよ。」


「数年前までは植物園としてちゃんと活用されていたんだけど…王弟の側室様が王族用社交界場にと解放してから…荒れはじめて――――…一応、植物園の区域には入らない決まりだが…一度も守られたことはないな!」


「今回みたいに、酔って踏み荒らした――――とか、婦人や令嬢が綺麗な花だと摘んでしまったり…と、景観は損なわれるばかりだ!

こうやって、いきなり呼び出されるなんて…今日が初めてじゃないしな」


私の他に三人の先輩お弟子さんが馬車にいたが、皆さん荒れていく植物園にガックリと方を落としていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ